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玉熊 佑紀*; 山田 椋平; 岩岡 和輝*; 細田 正洋*; 床次 眞司*
保健物理(インターネット), 54(1), p.5 - 12, 2019/03
原子力事故後の汚染レベルと住民の内部被ばくを知るために、大気中放射性物質濃度測定が求められる。さらに、平常時においては肺がんのリスク因子である大気中ラドン子孫核種の測定も肺線量を評価するために重要である。これらの測定でよく用いられる方法は、フィルタ上に放射性エアロゾルを捕集し、そこから放出される放射線を計測する方法である(フィルタ法)。しかしながら、フィルタ法を用いた測定結果は、使用したフィルタの特性に強く依存することはよく知られており、高分解能かつ長期間の測定を実現するには、適切なフィルタを選択することが重要である。そこで本研究では、日本国内で市販されている6種類のフィルタについて「表面捕集効率(SCE)」と「流量の安定性」を調べた。日本の多くの原子力施設における環境モニタリングでは、セルロースガラス繊維濾紙(HE-40T)が用いられているが、本研究の結果によると、HE-40TのSCEはMerck社製混合セルロースエステル型メンブレンフィルタ(DAWP02500)のそれよりも低いことがわかった。さらに、DAWP02500の流量減衰率は2.9%と評価され、6つのフィルタの中で最も低かった。この結果は、DAWP02500が放射性エアロゾル捕集フィルタとして最も適していることを示唆している。
西澤 幸康; 廣内 淳; 嶋田 和真; 眞田 幸尚; 宗像 雅広
no journal, ,
航空機モニタリングの測定値から人工放射性核種の放射能濃度を精度よく求めるためには、自然放射性核種(特に大気中ラドン子孫核種)の寄与を除く必要がある。ここでは、NaI(Tl)検出器とLaBr検出器で高度毎に測定した計数率比(NaI/LaBr)の違いを利用して、空気中ラドン子孫核種の寄与を除去する手法を考案する。この除去手法を実際のモニタリングデータに適用した。
廣内 淳; 嶋田 和真; 西澤 幸康; 眞田 幸尚; 宗像 雅広
no journal, ,
航空機モニタリングの測定値から人工放射性核種の放射能濃度を精度よく求めるためには、自然放射性核種(特に大気中ラドン子孫核種)の寄与を除く必要がある。ここでは、NaI(Tl)検出器とLaBr検出器で高度毎に測定した計数率比(NaI/LaBr)の違いを利用して、空気中ラドン子孫核種の寄与を除去する手法を考案する。はじめに、EGS5で各検出器と航空機の体系化を行い、その体系を用いて高度毎に計数率比を算出し、実測値と計算結果を比較した。
佐々木 一樹; 佐川 直貴; 細見 健二; 高嶋 秀樹
no journal, ,
核燃料サイクル工学研究所に配備されている線ダストモニタ(以下、既設モニタ)は、放射線測定部に用いている半導体検出器がサンプリングした空気に直に接触する構造のため、設置場所の環境に起因すると考えられる不具合が多発している。この背景を踏まえて、富士電機(株)にて開発された線ダストモニタ(以下、新型モニタ)に着目した。この新型モニタの特徴は、半導体検出器が窒素充填された筒の中に収納されており、既設モニタと異なりサンプリングした空気が直に接触しない構造となっているため、半導体検出器の表面が劣化しにくく、設置場所の環境影響を受けにくいことが期待される。本件では、新型モニタに対する性能試験の結果及び既設モニタとの比較結果を報告する。新型モニタのAmのピークチャンネルを元に測定領域を設定したときの計数効率は13.0%と既存モニタの基準を満たしていることを確認した。また、ラドン子孫核種及び線核種による妨害影響については、着目核種の測定領域を適切に設定することで除去できることを確認した。管理区域内において2週間の連続測定を行った結果は、既設モニタと新型モニタの指示値変動は同様の結果を示した。